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2009.02.02

しごき、バーリング、潰しに強い、JSTAMP/NVソリッド機能のご紹介

カテゴリー
: 生産技術解析
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JSTAMP

金属材料のプレス成形加工現場では、曲げ、絞り、打ち抜き(せん断)、しごき深絞り、バーリング(穴広げ)、潰し(コイニング)、鍛造 など様々な塑性加工方法が行われております。JSOLがご提供するプレス成形解析ソフトJSTAMP/NVでは、曲げ、絞りはシェル要素という板要素で多くの実績があります。JSTAMP/NV-V2.0 以降では、しごき深絞り、バーリング、潰しに対応するため、ソリッド要素という、板厚方向にも加工可能な解析機能を実装しました。このソリッド要素を実際の問題に適用し、検証していただいたお客様からは、解析結果と実験とが非常によく一致するという評価をいただきました。

JSTAMPのソリッド要素機能の特徴は、以下の3つです。

  • 板厚減少率コンター、板厚分布コンター、FLD図など、シェル要素で使用されている評価指標がそのままソリッド要素での解析結果に適用できる
  • シェル要素からソリッド要素への変換が可能なので、曲げや絞りは、シェル要素で短時間に解析し、トリム後のバーリングや、しごき深絞りの段階で、ソリッド要素に切り替え可能
  • シェル要素と同様に多段加工の途中でトリムを行ったり、要素サイズを変更したりすることが可能なので、自在な解析を行える

つまり、JSTAMPの持つ「多段階の成形加工を早く、正確に、簡単に」解析できる機能はそのままに、板厚方向への加工変形も正確に簡単に評価可能となりました。以下にソリッド要素による3ケースの実用的な解析事例をご紹介します。

「バーリング」解析結果

本解析では、シェル要素で曲げ解析を行った後、トリムカットし、ソリッド要素でバーリング加工解析を行いました。解析結果と実験結果の写真を 図1 に示します。 解析結果は、われが生じることなく成形が可能であることを示しており、写真の実物の結果とよく一致していることがわかります。このことにより信頼性の高いバーリングの成形予測、不具合検討が期待されます。

図1 バーリング解析結果 図1 バーリング解析結果
(ソリッドの結果をシェルの板厚減少率で評価)

実物 実物

「しごき」解析結果

解析結果の板厚減少率コンターを 図2 に示します。

本事例では金型数を削減するため、初段から「しごきあり」の絞りを行うことを検討しました。しかしその結果ショックラインの発生がみられました。このシミュレーションは事後に行ったものですが、実際の金型作成現場でもショックラインの発生が問題となっていました。そのためこの結果をご覧いただいたお客様からは、「このソフトウェアがあったらショックラインの対処に苦労せずにすんだのに!」という切実なコメントをいただきました。

図2 しごき解析結果 (ソリッドの結果をシェルの板厚減少率で評価) 図2 しごき解析結果
(ソリッドの結果をシェルの板厚減少率で評価)

「つぶし」解析結果

ツールによる材料のつぶし、すなわち板厚方向の塑性変形を考慮した解析例です。板厚を可視化するため LS-PREPOST を使用して表示しています。板厚方向に70%のつぶし加工を行いました。この例では計算時間の関係でメッシュサイズがやや粗いモデルを使用していますが、この程度のモデルであっても、押しつぶしに要する成形圧やつぶし後の形状評価の大まかな傾向をみることができます。

図3 つぶし解析結果 (ソリッドのまま断面表示) 図3 つぶし解析結果
(ソリッドのまま断面表示)

まとめ

JSTAMP/NVに実装されたソリッド要素解析機能を用いた代表的な応用事例についてご紹介しました。このほかにも厚板の曲げ成形解析において、実際の製品とまったく同様のフランジ部の変形形状が得られるというような再現性の高さについて大きな評価をいただいています。さらに最近では0.01mm以下の加工精度が要求される超精密プレスの分野にもJSTAMPを活用いただいています。しごき、バーリング、板厚の曲げ、超精密プレス加工といった分野にはJSTAMPのソリッド要素解析機能をぜひご利用ください。

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