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JSTAMP:
Yoshida 6次降伏関数を活用した異方性の再現

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: 機能紹介
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JSTAMP / LS-DYNA / MatYLD

プレス加工のシミュレーションを高精度に実施するためには、被加工材であるブランクの材料特性を正確に再現することが重要です。JSTAMPでは、解析対象に合わせてさまざまな材料モデルを選択することが可能です。材料特性の入力には、SSカーブ(応力−ひずみ曲線)に代表される加工硬化特性と、降伏関数によって表現される異方性があります。今回は、ブランク材が持つ異方性に着目します。

一般に、圧延加工によって製造されるブランク材の多くは異方性を示します。たとえば、圧延方向とそれに直交する方向では加工時に発生する変形抵抗が異なります。この異方性の傾向は材料によってさまざまですが、実際の現象をシミュレーションでより正確に再現するためには、材料モデル、特に降伏関数の選択が重要になります。JSTAMPでは、すでに広く用いられているHill’48やYld89、Yld2000-2dなどの降伏関数を使った材料モデルに加えて、最近では吉田先生(広島大名誉教授)が提案された6次降伏関数に対応しています。この降伏関数はその名のとおり6次多項式を用いて材料の異方性を表現します。この6次降伏関数はHill’48に代表される2次関数と比べ表現性能が高く、また、任意の次数を選べるYld89やYld2000-2dと比べ定式化がシンプルです。さらに、シェル要素とソリッド要素の両方で利用できることも大きな特徴です。

材料の異方性をより正確に再現することで、材料の変形を精度良く予測可能となり、割れやしわの予測精度の向上が期待できます。たとえば等二軸応力(張出し変形)の材料試験データを6次降伏関数を用いて考慮することで、Hill’48と比較して降伏曲面形状の精度が向上し、絞り成形における板厚減少の予測結果に差が現れます。

Yoshida 6次降伏関数を活用した異方性の再現

6次数降伏関数は材料の持つ異方性の表現性能を高めるために多くの入力パラメータがあり、多数の材料試験データの情報が必要となりますが、降伏関数の異方性パラメータ同定ソフトMatYLDを使用することで最小数の実験データでパラメータを決定することが可能です。

JSTAMPおよびMatYLDの詳細は、こちら からお問い合わせください。

2019年11月6日〜8日に開催する JSOL CAEフォーラム では、Yoshida 6次を取り上げたユーザー様ご発表も予定しております。また、CAE技術情報ライブラリでは、広島大学名誉教授 吉田総仁先生のテクニカル・エッセー『吉田弾塑性工学塾』も公開中です。

[参考文献]
  • Yoshida, F., Hamasaki, H., Uemori, T., A user-friendly 3D yield function to describe anisotropy of steel sheets. Int. J. Plast. 45, (2013), pp.119-139.
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