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Digimat 2019.1 をリリースしました

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: 機能紹介
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Digimat / LS-DYNA

2019年10月にリリースしました Digimat 2019.1 の注目機能をご紹介します。

Digimat-FE/Solver 高速演算可能な FFT ソルバを搭載

Digimat-FE/Solver に、高速演算可能な FFT(Fast Fourier transform;高速フーリエ変換)ソルバが追加されました。従来の FEM(有限要素法)ソルバと比較して、高速演算やメモリ使用量の低減が可能です。さらに、計算時間を 1/10〜1/100 程度に短縮することができます。また、これまではメモリ使用量がボトルネックとなり解けなかった大規模なモデルの計算ができるようになるため、モデルサイズを大きくすることや要素分割数を増やすことなどが可能になります。

FFT ソルバではメッシュを作成する必要がなく、FEM のボクセルメッシュのように規則的にグリッド点を設置し計算を行います。材料モデルは弾性(等方性・直交異方性)、超弾性(neo-Hookean)、弾塑性(J2-plasticity(等方性))、弾粘塑性(J2-plasticity(等方性)・Norton creep low)、結晶塑性*(FCC・BCC・HCP)に対応しています。
上記の材料モデルに該当しない場合やより高精度の結果が求められる場合、また複雑なミクロ構造を詳細に再現したい場合などには従来通り FEM ソルバをお使いいただく必要がございますが、一方で、パラメータスタディなど大量の計算処理が必要な場合には有効な手段になると考えられます。
この新しい FFT ソルバは Digimat-FE/Solver のライセンスをお持ちのお客様はどなたでもお使いいただけます。(*結晶塑性モデルを使用される場合は、別途追加ライセンスが必要です。)

Digimat-FE FFT Solver グリッド設定画面
Fig. 1 Digimat-FE FFT Solver グリッド設定画面

Digimat-FE/Modeler 高充填モデル作成への取り組み

Digimat 2019.1 では新機能の追加だけでなく、従来機能の向上がなされています。Digimat-FE/Modeler の RVE 作成機能において、より高充填な構造や、指定された繊維配向テンソルに忠実な構造の作成が可能になりました。

条件にもよりますが、各ケースで作成可能な充填構造は次表の通りです。

表1 作成可能な充填構造
充填するもの条件充填構造
粒子均一粒径40 vol% 弱
粒径分布を指定70 vol% 以上
繊維ランダム配置22 vol% 程度まで
(アスペクト比50)流動方向に配向25 vol% 以上

左:単一粒子径(Sphere、37.1 vol%)
右:単一繊維形状(Sphero cylinder、27.1 vol%、配向テンソル a11=0.8, a22=0.1, a33=0.1)
ミクロ構造モデル
Fig. 2 ミクロ構造モデル

Digimat-MX 同定可能な材料モデルの拡張

Digimat-MX で下記の材料モデルパラメータの同定が可能になりました。

  • - クリープモデル(粘弾性・熱粘弾性)
  • - 熱機械特性材料(熱弾性・熱膨張係数)
  • - ポアソン比

これまでは Digimat-MF を併用し、手作業にて合わせ込みを行っていた作業が Digimat-MX 内で自動的に同定できるようになります。そのため、試験結果から Digimat 材料モデルへの変換作業を従来よりも手軽に行えます。

LS-DYNA R10.2 に対応

Digimat 2019.1 で Digimat-CAE/LS-DYNA 連携解析に対応している LS-DYNA のバージョンは以下になります。

  • - R9.3.0
  • - R10.1.0
  • - R10.2.0
  • ※いずれも Intel-MPI および Platform-MPI(Linux、Windows)、MS-MPI(Windowsのみ)の単精度/倍精度に対応しています。
  • ※LS-DYNA との連携解析は Linux Redhat7.X および 6.3 にて対応しております。

Digimat-RP の機能拡張

Digimat-RP に SMC 成形品用のメニューが追加されました。SMC 成形品は射出成形品(圧縮成形品)と比べて繊維長が長い場合や繊維が束になっている場合があるため、主に射出成形品を対象として構築された従来の材料モデルでは表現しきれない挙動がありました。今回のアップデートにより、繊維束を考慮した SMC 成形品用の材料モデルが設定できるようになりました。この材料モデルは弾性および粘弾性モデルに対応しており、破壊モデルを付与することも可能です。

また、疲労解析結果のポスト処理機能が拡張されました。Digimat の疲労破壊材料モデルを用いた1振幅分の変形(荷重)解析結果から、さまざまなポスト処理が可能です。

  • ・1振幅分の変形結果(各要素に発生した応力)と材料モデルに設定されたSN 曲線を用いて、各要素の寿命を破断までの繰り返し数としてコンター図で可視化できます。
  • ・同じ材料モデルの応力比違いの結果を瞬時に確認できます。従来は異なる応力比(R値)の条件を与えた場合には再計算する必要がありました。

また、製品の寿命には材料の塑性域も影響を及ぼします。弾性モデルを用いて計算された1振幅分の解析結果からも、Digimat-RP のポスト処理で疲労破壊材料モデル(弾塑性)を設定することで、塑性域を考慮した場合の寿命を予測できるようになりました。これにより、より精度の高い疲労解析が可能になります。

Digimat-RP 疲労解析のポスト処理機能画面
Fig. 3 Digimat-RP 疲労解析のポスト処理機能画面

Digimat の詳細は、こちら からお問い合わせください。

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