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LS-DYNA:R11の注目機能

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: リリース / 技術情報
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LS-DYNA

2019年11月にJSOLより公開したLS-DYNA R11は、基本となる要素や物性モデルの拡張に加え、モデル化を支援する機能も多く追加されています。さらに、粒子法が大幅に高速化されたほか、使用メモリの動的管理やリスタート計算の改良など大規模モデルへの対応も強化されました。
R11に実装された多くの新機能の中からJSOL独自の視点で注目した機能をご紹介します。

一次四面体要素の新しいフォーミュレーション(ELFORM=60)

一次四面体要素に、体積ロッキングの影響を軽減する新しいELFORM=60が追加されました。
剛体差の大きなパート間を節点共有する場合など、体積ロッキングの影響を受けやすいモデルでは、圧力項の節点平均化処理(ELFORM=13)を適用しても一次四面体要素はパート境界付近で不自然な応力分布になることがありました。新たに追加されたELFORM=60では、より自然な応力分布を得ることが期待できます。
基材(マトリックス)と添加剤(フィラー)のように剛性差の大きい材料をテトラ要素かつ材料間を節点共有した複合材料モデルにおいて特に有用です。

剛性差の大きい圧縮解析(X方向応力コンター)
剛性差の大きい圧縮解析(X方向応力コンター)

S-ALEのメッシュ自動作成とトリム

S-ALE法で背景メッシュの形状指定やトリムが可能になりました。
背景メッシュに直方体しか使用できなかった従来のモデル化に比べ計算時間の大幅な短縮が可能です。
また、流体メッシュは計算時に自動的に生成されるため、モデルのセットアップ作業工数の大幅な削減が可能です。

不要な背景メッシュを削除したS-ALEメッシュモデル
不要な背景メッシュを削除したS-ALEメッシュモデル

ICFDメッシュ細分化領域の自動追従

構造物の移動に際し、ICFDメッシュのリメッシュ後もメッシュ細分化領域が自動的に追従するようになりました。計算コストの増加を抑制しながら、構造物の周辺の詳細な解析が継続的に可能になります。

構造物の移動に追従するICFDメッシュの細分化領域
構造物の移動に追従するICFDメッシュの細分化領域

対称拘束機能のリメッシュ対応

リメッシュにより節点や要素のIDが更新された場合にも拘束条件を維持する設定が容易になりました。

3次元r-アダプティブリメッシュ(対称面を_SETオプションで拘束)による前方後方押し出し鍛造
3次元r-アダプティブリメッシュ(対称面を_SETオプションで拘束)による前方後方押し出し鍛造

粒子法エアバッグ・SPG要素の高速化

CPMモデル(*AIRBAG_PARTICLE)の接触アルゴリズム(粒子−基布接触、粒子−粒子接触)を更新して、大幅な高速化を実現しました。

カーテンエアバッグの解析時間比較
カーテンエアバッグの解析時間比較

SPG法に安定性が向上した流体粒子アルゴリズムを採用することで、大幅な高速化を実現しました。

SPGによる弾頭貫通解析CPU時間比較
SPGによる弾頭貫通解析CPU時間比較

圧力チューブセンサー要素タイプの自動変換

ビームチューブでモデル化した圧力チューブセンサーの解析初期に、シェルチューブやソリッドチューブへの自動的変換が可能になりました。
断面変形をより正確に考慮できるので圧力波の計算精度が改善します。

圧力チューブセンサーの圧縮解析
圧力チューブセンサーの圧縮解析

MPP計算の効率向上の支援

LS-PrePostを使って、計算プロセッサーごとの消費時間をプロセス単位で比較できるグラフを出力できるようになりました。
計算効率の向上には負荷の平準化は欠かせません。プロセッサーごとの負荷の偏りや各プロセスの消費割合が一目で確認できるため、モデル化の検討にご活用いただけます。
以下の例では、接触計算(赤の太線)でプロセッサー間の負荷バランスが悪いことが確認できます(左図)。プロセッサーの6番から9番が受け持つ領域分割を再調整した結果、負荷のバランスが改善したことが確認できます(右図)。

圧力チューブセンサーの圧縮解析
プロセッサーごとの計算負荷の確認と調整結果

そのほか、さまざまな新機能は、LS-DYNAユーザーサイトに掲載のリリースノートやテクニカルノートをご参照ください。

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