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ODYSSEEをつかった、人体モデルのポジショニング解析の高速化(高精度近似)

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:技術情報
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ODYSSEE / LS-DYNA

以前、注目機能紹介「ODYSSEEによるデータ活用:Reduced Order Model(次数低減モデル)によるリアルタイム予測」にて、機械学習を活用するCAE支援ツールODYSSEE(オデッセイ)をご紹介しました。今回は、その手法を用いた解析モデルの高速化の事例をご紹介します。

近年、人体モデルを使った解析例が増えてきました。人体モデルを使うには、本番の解析の前に、人体モデルの関節を動かして所定姿勢にする準備解析を行う必要があります。たとえば自動車事故の際の人体挙動の解析を行うには、事前に準備解析として、人体モデルを自動車のシートに座らせる解析が必要になります。ところが人体モデルは要素数が170万要素を超える大規模モデルであるため、準備解析といえども、かなり時間がかかる解析になります。(16コアマシンで、計算時間は10時間以上になります。)

ポジショニング解析(準備解析)→ 衝突解析(本番解析)

ODYSSEEを使い、人体モデルのReduced Order Model(次数低減モデル)を準備しておけば、この準備解析を、数分で終えることができます。

ODYSSEEでは、条件を変えたいくつかの計算結果を用意すれば、簡単な操作で次数低減モデル(ROM)の作成が可能です。
今回の人体モデルの例では、関節の最大可動範囲をカバーする複数の計算結果を準備し、ROMを作成します。

図3  ODYSSEEによる予測とLS-DYNAによる計算結果の比較

図1 腕の最大可動域

図3  ODYSSEEによる予測とLS-DYNAによる計算結果の比較

図2 脚の最大可動域

ひとたび、ROMが作成できれば、本来LS-DYNAでかなり時間をかけて得られる姿勢を、数分で推定することができます。下の図は、LS-DYNAで実際に計算した場合と、ODYSSEEを使って推定した場合の比較です。

図3  ODYSSEEによる予測とLS-DYNAによる計算結果の比較

図3 ODYSSEEによる予測とLS-DYNAによる計算結果の比較

形状はほとんど同じであることが確認できます。

このように準備解析(シートへの着席)にODYSSEEを使った後、本番の解析(衝突挙動解析)をLS-DYNAで行った場合と、準備解析も本番の解析もLS-DYNAで行った場合を比較しても、人体傷害値はほぼ同じ値になることができました。

CASE1 CASE2

図4  衝突挙動解析結果の比較(頭部加速度[G]、脛骨のモーメント[Nm](×1E+3)、大腿骨の力[N] (×1E+3)と時刻の関係)
図4 衝突挙動解析結果の比較
(頭部加速度[G]、脛骨のモーメント[Nm](×1E+3)、大腿骨の力[N] (×1E+3)と時刻の関係)

今回ご紹介した事例は人体モデルを使った事例と同様に、同一のモデルを使ってさまざまな解析を行う場合に、ODYSSEEは強力なツールとなります。そのモデルを使ったROMを一度つくっておけば、数分で、挙動の推定が可能になります。

ODYSSEEの詳細はこちらからお問い合わせください。

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