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このたび、JSOLでは、自動車衝突解析用のアプリケーションノート(設定やモデルの解説)をLS-DYNAのユーザーサイトに公開しました。
CAEブログ「LS-DYNAの推奨設定〜基礎設定編〜」に続く、JSOL推奨モデル化の第2弾です。基礎設定編でご説明した推奨設定は、比較的小規模なモデルを対象としていました。それでは、もっと大規模なモデルで注意すべき設定は何になるでしょうか? 特に、多くのLS-DYNAのユーザー様が取り組まれている、自動車衝突解析を行う場合に注意すべき設定は何でしょうか? この点について疑問を持たれているユーザー様も多いと思います。
このような疑問にお答えするため、今回、衝突解析編としてご紹介するアプリケーションノートでは、自動車衝突解析の計算高速化と計算安定化を図る方法を解説しています。
自動車衝突解析のための計算高速化と安定化
自動車衝突解析において、重要なことは、計算の高速化と計算の安定化です。自動車衝突のような大規模なモデルの場合、領域分割型の並列計算(MPP)を使う必要があります。しかし、領域分割の方法を誤ると、計算時間が非常に長くなってしまいます。下のグラフは、同じプロセッサー数で領域分割の方法を変えた場合の計算時間の比較です。適切な設定をしないと、計算時間が無意味に増えてしまうことがわかります。
領域分割の違いによる計算時間の例
現実の衝突実験と同様に、シミュレーションでも、わずかな初期条件の違いで結果がばらついてしまうことがあります。特に、衝突解析で用いられる陽解法では、解析途中で発生する応力の高周波振動が原因となりばらつきが大きくなることが知られています。これらのばらつきは、適切な設定をすることで、安定させることができます。
安定化の設定は、接触設定、材料設定、材料破断設定、減衰設定、数値計算設定など多岐にわたります。
最終的にどのような設定になったかは、ユーザーサイトをご覧ください。
JSOLでは、今後も、使いやすいLS-DYNAを目指して、さまざまな技術資料やセミナーを、ユーザー様に提供いたします。
内容も、導入直後を想定したものから先進的なものまで、幅広く準備していく予定です。
ご期待ください。