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近年、国内外の最先端の医療機器開発メーカーでは、シミュレーション技術の活用が一般的になっています。JSOLにおいても、医療機器に関するシミュレーションについてのご相談いただく機会が増えています。
また、承認審査にシミュレーション技術を使う動きも見られるようになってきました。米国機械学会(ASME:The American Society of Mechanical Engineers)V&V 40小委員会では、米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)と連携し、医療機器分野の法規制に適合するV&V(Verification & Validation/検証と妥当性確認)の標準化が進められています。具体的には、ステントや人工心臓弁等の医療用デバイスの認可申請の際に物理現象として記述できる数値シミュレーションに対して、V&Vに基づく信憑性確保が検討されています。
さらに、2025年3月には、国際的な医療機器規制の国際整合化について将来の方向性を議論する国際医療機器規制当局フォーラム(IMDRF:International Medical Device Regulators Forum)が、日本を議長国として東京で開催されました。
今回のIMDRFで公開された今後の重点戦略プランに対する調査結果には、”In-silico clinical trials”、“Modeling and Simulation”、“Innovative evidence: in-silico modeling”などのキーワードが見られ、医療機器の規制業界におけるシミュレーションに対する注目度の高さがうかがえました。
また、IMDRFにあわせて来日された前述のASME V&V 40小委員会の副議長とJSOLメンバーで意見交換する機会がありました。医療機器開発におけるCAEの重要性を確認するとともに、認証分野でCAEを活用いただくための要件やアプローチについて情報共有することができました。
※ V&V 40の副議長は、Ansys LS-DYNAなどのエンジニアリングシミュレーションソフトウェアの開発元であるAnsys社のDistinguished Engineerです。
JSOLはこれら昨今の動きをふまえ、トピックスセミナー「医療機器開発にも導入がすすむシミュレーション技術の今」を開催しております。3年目となる今回は、講師に早稲田大学 八木先生をお迎えし、医療機器/医療技術の開発現場で活用されるシミュレーション技術の最前線をご紹介いただきます。
シミュレーションにご興味がある方だけでなく、医療機器/医療技術の開発に携わるすべての方にお役立ていただける内容です。
皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げております。
「医療機器開発にも導入が進むシミュレーション技術の今 Ⅱ 」(2024年開催)の様子