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CAE Technical Library 橘サイバー研究室 - CAE技術情報ライブラリ

vol.28がんばる者に重荷のかかる不静定構造

2013年02月05日

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(ほとんどのビルは不静定構造である。このコンピュータの時代に今更不静定構造などといった時代遅れの言葉など、と言うなかれ。スルメのように噛んでいると味わい深く、設計のセンスも養われる。)

丸太棒の両端を二人で持って運ぶときは、一人が約半分の重さを負担することになる。では一人追加して3人で運ぶなら?一人あたり約3分の1になる・・・と考えるのはあまい。身長差や持つ位置も関係するだろう。それどころか、三人の内の一人は持ったふりをしているだけかもしれない。「一人増えたのに一向に仕事が楽にならないなー」と経験したこともあろう。つまりメンバーの「マジメサ」にも関係する。

小学生の頃に目黒の祐天寺の近くにある八幡神社までオミコシをかついだことが何度かある。背が低かったのでかつぐどころか時々ぶらさがったりしていた。酒屋の近くにくると意味もわからず「酒屋のけーちんぼー塩まいておくれー」と、がなりたてる。それがもっぱらの仕事だ(誰が言い出したのか知らぬが、当時の東京ではきまり文句であった。酒屋さんには本当に悪いことをした)。休憩のときに飴湯のようなものが飲めるのが目的だった。終戦後の間もない頃だったので、大声の報酬として大いに満足だったし、この不労所得を得た「おまけ」のような私に皆は寛大であった。

ところで、丸太棒の場合に二人から一人増えるだけで力の負担に「マジメサ」が関わってくる。一体どうしたことだ? コホン。これを構造力学風に荒っぽく言うなら、静定構造から(外的な)不静定構造に変わった、とでも言えようか。そしてこの「マジメサ」に相当するのが「剛性」となる。

ややこしい話のキライな方は GO TO 10

少しだけ厳密に言い換えてみよう。丸太棒を一様で細長い重さWの剛体にモデル化する。その両端を剛性が k の2本のバネで支える。剛性の値がどうであれ、各バネには W/2の力がかかるとして良いであろう。では、その中央にもう一本のバネを追加する。その剛性を 2kとする。 バネが3本だから各バネに W/3 の力がかかるとして良いであろうか? そうは問屋がおろさない。

剛体の沈みこむ量をδ(デルタ)とする。すると Hookの法則でそれぞれの3本のバネにかかる力は、kδ、2kδ、kδ、となる。
力の釣り合いから次式が成り立つ。

kδ+2kδ+ kδ = W

これより、kδ=W/4 が求まり、それぞれのバネにかかる力は W/4、W/2、W/4 となる。

追加される中央のバネの剛性が8kなら同様にして、それぞれの3本のバネにかかる力は、W/10、8W/10、W/10となる。

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