パワーケーブルのコモンモード電流推定ソリューション
電気自動車、産業機械のパワエレEMC設計を新しいステージへ
電気自動車や産業機械では、パワー半導体の高速化や回路の高電圧化によって、電力系・モータ駆動系のEMC設計がますます重要になっています。
「電磁ノイズの原因となるパワー系のコモンモード電流をシミュレーションで高速に予測したい」
そんなご要望に、EMCoS Studioの新ソリューションHybrid MTL/PEEC(以下、新手法)がお応えします。
空中配線やシールド線・・・現実的な条件を計算可能
パワー系の伝導・放射ノイズに大きな影響を持つ部品が、装置をつなぐケーブルです。
板金に沿って配線された理想的なケーブルに関しては、従来からケーブルに適した高速シミュレーション技術(以下、従来法)が存在しました。しかし産業機械や、自動車のエンジン・インパネ周辺では下図のような状況がよく見られ、従来法の適用が困難でした。
EMCoS Studioの新手法では、独自の工夫によって、このような現実的な配線条件でのコモンモード電流の高速計算を実現しました。パワー系でよく用いられる、編組、箔あるいは多層シールドなど、各種のシールドケーブルの表現も可能です。
新手法で扱えるようになった配線条件の例
[活用例] 電気自動車の高圧ケーブルのコモンモード電流予測
高圧配線をリアルにモデル化
新手法が役立つ問題の代表例として、電気自動車の高電圧パワーケーブルの事例を紹介します。
ボディーに取り付けられたコントローラ(非接地)と、モータに取り付けられた電装品の間を、同軸構造のケーブルがつないでおり、シールド内部を動作電流が流れています。このとき、同軸ケーブルの外皮へと漏れ出てしまうコモンモード電流を推定します。
解析モデルの内容
従来の手法より高速に、実用的な精度の計算が可能
このモデルを3通りの方法で計算しました。コモンモード電流の計算結果と、各手法の計算時間を示します。新手法は、最も精度の高い3次元解析とほぼ同等の結果を短時間で得ることができ、実際的なシールドケーブルのコモンモード電流分析にたいへん有効な計算手段であることが、おわかり頂けるかと思います。

手法 | 本モデルの 計算時間 |
計算結果 |
---|---|---|
3次元解析 | 137分 | 〇 |
従来法 | 10秒 | × |
新手法 (Hybrid MTL/PEEC) |
1分40秒 | 〇 |
詳しい資料について
解析技術の詳細や各種事例に関する資料をご用意しています。下記のURLからご要望ください。
サービス・ソリューション一覧
- ※EMCoS Studio は、旧 EMC Studio が名称変更された製品です。
- ※EMCoS Studioの開発元は、EM Consulting and Software, EMCoS, Ltd.(本社:ジョージア)です。
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