最近になり「安全」と「安心」という言葉がワンセットでとびかっている。
そこで少し断片的ではあるが考えてみたい。
1) 安全について
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[写真1] ミュンヘンのビオトープ
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[写真2] 大阪の公園
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[写真3] Torre La Velasca (ベラスカの塔)
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[写真4] 1階のBar: Crazy Tower
まず、ミュンヘンのビオトープの池で撮った写真-1を見ていただきたい。池の端に浮輪と梯子が置いてある。はじめは何だろうと思った。その横に、もし子供が池に落ちたらこの浮輪を使ってください。冬に池が凍ってスケートなどをして氷が割れた時には、この梯子で助けてあげて下さい、てなことが絵入りで説明されている。「さすがドイツ」とその是非はともかく納得した。
次に写真-2を見ていただきたい。
我々がよく見かける立ち入り禁止の柵と札だ。昔のようにエビガニをとったりフナを釣ったりはできない。(しかし経験上、どこかに壊れた隙間があって、そこに小径ができていたりする場合もある。)
もし日本で浮輪と梯子による対策で事故がおきたら池の管理者はマスコミの袋だたきに会うにちがいない。「無責任だ」と。
かなり偏った見方と言われそうだが、写真-1は父親の目で、写真-2は母親の目で見た「安全」のように感じる。ドイツの国歌では自国のことを母国ではなく父国?(Vater Land)として歌われるので納得がいくような気もする。
ちなみに外国でしか見かけない光景に、我が子の腰を紐で縛って犬の散歩のように歩く親の姿がある。日本ならその親は白い目で見られるにちがいない。
ドイツ、日本ときたら次はイタリヤだ。なぜかと言うとこの3国は第2次世界大戦時の枢軸国の間柄である(ちょっと話の持って行き方に無理があるが古い人間なのでお許しあれ)。
写真-3はミラノのベラスカの塔だ。ダビンチの「最後の晩餐」で有名な教会、白く輝く大聖堂ドゥオーモ、歩道を覆う万華鏡のようなガレリヤもそれほどここから遠くない。
この建物の頭でっかちの部分はあやしげな顔つきの頬杖で支えられている。イタリヤ人は大らかだ。写真-1や写真-2でガタガタいうことはない。この天空の住人らは今日もワインを飲みパスタを山盛り食べ、'O Sole Mio と歌っている(かもしれない)。あー戻ってこいパパロッティ。
しかし、さすがに気楽なイタリヤ人にもこの建物は異様に思う人もいる。この1階にあるバーの名前が「Crazy Tower」であった。(写真-4:1994年にはあったがどうもその後に改装されてなくなっているようだ。上の住人からクレームでもついたのであろうか。)
写真-1や写真-2のように、環境や景観がからんでくると国によっては「安全」に対する見方が微妙に違うような気もする。しかし、いずれにせよ、どの国にも、安全基準に相当するものはだいたい決められている。