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大型タンクモデルの多層溶接

多層溶接の固有変形予測機能により大型タンクモデルの溶接変形と溶接順序の影響を短時間で評価

JWELDには多層溶接における固有変形の予測機能が搭載されています。
この機能を利用して大型タンクモデルの溶接変形を予測し、さらに溶接順序の違いによる変形量の変化を確認しました。

多層溶接の固有変形を予測

多層溶接では溶接ビード周辺が非常に複雑な入熱履歴を経るため、適切に溶接変形を予測するには複数パスの影響を考慮することが重要と考えられます。JWELDでは、多層溶接において複数パスの影響を加味して固有変形を予測する機能を搭載しています。この機能を利用することで、試験を実施して固有変形を取得しなくても、手軽にかつ高い信頼性を持って多層溶接の溶接変形を評価することができます。全パスを施工した後の固有変形の予測に加えて、Ver.2023.1からはひとつひとつのパス毎に固有変形を予測できるように機能強化されました。これにより、すべてのパスを連続して施工する場合はもとより、途中に他の継手を施工するような溶接順序でも解析が可能になり、より柔軟に溶接順序を検討できるようになりました。

図1:多層溶接の固有変形予測機能図1:多層溶接の固有変形予測機能

大型タンクモデルへの適用

大型タンクモデルへの適用事例を示します。モデル概要と溶接線を図2に示します。厚板のため各継手は多層盛りで溶接されます。図3に突合わせ溶接のパス割イメージを示します。 ここでは2通りの溶接順序で溶接解析を実施します。

  • ・ 一つの継手で連続して層を重ねた場合
  • ・ 複数の継手で並行して層を重ねた場合

図2:モデル概要と溶接線図2:モデル概要と溶接線

図3:多層溶接のパス割イメージ図3:多層溶接のパス割イメージ

ケース1:一つの継手で連続して層を重ねた場合

ひとつめのケースでは、1つの継手に対して連続して層を重ね、その継手の全ての層を施工してから別の継手の施工に移ります(図4)。固有変形データは、上述の予測機能を利用し、すべての層を施工した状態として算出します。図5に変位の解析結果を示します。最大変位は93.43mmとなりました。

図4:ケース1 溶接順序図4:ケース1 溶接順序

図5:ケース1 変位量[mm]図5:ケース1 変位量[mm]

ケース2:複数の継手で並行して層を重ねた場合

ふたつめのケースでは、ある継手の1層目を施工したら、別の継手の1層目を施工するというように、複数の継手を並行して施工しています(図6)。固有変形データは、予測機能を使って1層毎に準備しています。これにより、より自由度の高い溶接順序の検討が可能になります。変位の解析結果を図7に示します。最大変位は66.67mmで、ケース1より小さくなっています。

図6:ケース2 溶接順序図6:ケース2 溶接順序

図7:ケース2 変位量[mm]図7:ケース2 変位量[mm]

事例一覧

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