[解析事例] 繊維配向を考慮した熱ひずみ解析
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繊維配向の分布に起因する熱膨張率の異方性再現
温度変化によって生じる熱ひずみへの繊維配向の影響を調査した事例のご紹介です。
樹脂流動解析によって予測された繊維配向を用いて、Digimatとの連成による熱・力学解析を行っています。
基材である樹脂に比べ、ファイバーは熱膨張率が小さな値となります。(表1参照)そのため、繊維が特定の方向を向いている場合、その方向への収縮率は小さくなりますので、材料全体としては、繊維配向によって変化しつつ熱ひずみに異方性が現れます。
基材(等方弾性体) | ファイバー(等方弾性体) | |
---|---|---|
ヤング率[GPa] | 2.05 | 73.0 |
ボアソン比 | 0.37 | 0.22 |
熱膨張率[1/℃] | 6.5E-5 | 8.0E-6 |
質量分率[%] | - | 30 |
アスペクト比 | - | 30 |
繊維配向 | - | 3D Timon |
表1.材料定義
樹脂流動解析から得られた繊維配向(図1)をご覧いただくと、円筒の高さ位置によって配向に違いが生じています。
熱ひずみ解析では、Digimatを用いない等方性材料による解析と、Digimatを用いた解析を比較しています。
等方性材料の計算結果では、応力分布も変形挙動も一様となっています。一方で、Digimatによる計算結果は繊維配向の分布に起因する応力の分布を確認でき、また、変形挙動も円筒上部で歪んでしまう現象を再現することができました。
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- ※Digimatの開発元はe-Xstream engineering社です。http://www.e-xstream.com/
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