[解析事例] パワーノイズフィルタのノイズ抑制効果(EM)
- ソルバー
- EM
- 解析対象
- ノイズフィルタ
パワーノイズフィルタのノイズ抑制効果を予測
インバーターや DCDC コンバーターなどのパワーエレクトロニクス機器は、目的に応じて電力を変換するために広く活用されています。しかし、この電力変換はパワー半導体の高速スイッチングを介して行われるため、動作時に高周波ノイズを発生させます。このノイズが伝導するのを抑制するために用いられるのがパワーノイズフィルタです。
本事例で取り上げるのは、このパワーノイズフィルタのノイズ抑制効果です。
概要
コモンモードチョークコイルやフィルムコンデンサーなどのノイズ対策部品から成るパワーノイズフィルタですが、これら部品のレイアウトにより、フィルタ特性は変化します。
以下で、EMC Studioのソルバー EM でパワーノイズフィルタの解析を実施し、それをレイアウト検討に活用した事例を紹介します。
部品の置き方で変化するフィルタ特性
下記の二つのパワーノイズフィルタは、全く同じ部品を使用しており、回路図にすると同一になります。したがって、回路解析でシミュレーションしても、両者の結果は等しくなります。しかし、現実には、部品間の寄生容量の違いなどにより、両者のフィルタ特性は異なります。これをシミュレートするには、実機の 3 次元形状をモデル化した電磁界解析が必要となります。
コイル縦置きモデル
コイル横置きモデル
フィルタ特性変化を解析で良好に再現
下に示すグラフは、コイル縦置き/横置きそれぞれの場合でフィルタの通過特性を実測し、解析と比較した結果です。縦置き/横置きで実測値に違いが、特に 1 [MHz] 付近で 30 [dB] 程度の顕著な違いがあることが分かります。そして、いずれの場合も、実験結果を解析で良好に再現できました。したがって、このような解析を活用することで、所望のノイズ抑制効果を持つパワーノイズフィルタを設計するための、レイアウト検討ができます。
事例一覧
- 解析事例
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- 6.78MHz帯WPTに対する巻線間浮遊容量の影響(EM)
- 高周波電子部品のベンチマークテスト(EM)
- 静電気放電への耐性(EM)
- パワーノイズフィルタのノイズ抑制効果(EM)
- スマートエントリーキーの受信感度(LFMF)
- フラクタルアンテナの特性(EM)
- 無人宇宙探査機との長距離通信(EM)
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- 電気自動車(EV)のワイヤレス給電時の低周波人体ばく露(LFMF/Human Exposure)
- 275kV特別高圧向けブッシング内外の電界/電位分布(LFEF)
- 電流遮断時における真空バルブ内部の電界分布(LFEF)
- バンドパスフィルタのノイズ抑制効果(EM)
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- 自動車のラジオノイズ(EM)
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- 単線・ツイストペア線のクロストーク(Hybrid)
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- ※EMC Studioの開発元は、EM Consulting and Software, EMCoS, Ltd.(本社:ジョージア)です。
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