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[活用事例] Simpleware SoftwareとLS-DYNAの連携による生体解析 - 胸腰椎

分野
  • 医工連携
モジュール
  • ScanIP、FE Module
解析ソフト
  • LS-DYNA
***

CTデータから作成した脊椎モデルの
有用性を検討

本事例は山口大学大学院医学系研究科整形外科学、山口大学大学院創成科学研究科機械工学科で圧迫骨折を引き起こした脊椎の治癒後、周囲の別の脊椎で再び骨折が発生する続発性脊椎骨折のメカニズムを検証した事例です。

Simplewareによる脊椎の3Dモデル化

Simpleware ScanIPを使用して人体CT画像から脊椎をモデル化し、モデル化した脊椎の一部を変形することで椎体骨折状態を模擬したモデルを作成されました。

椎体骨折モデルの作成

0.6mmピッチで撮影された人CT画像から脊椎をモデル化。
椎骨の皮質骨と海綿骨を分けて作成しそれぞれ異なる材料物性を使用。
一部の椎体を楔上に変形することで脊椎の骨折を模擬。
骨折対象とする椎体と変形角度を変えて4モデルを作成。

  • (1) T11:10°変形モデル
  • (2) T11:20°変形モデル
  • (3) L1:10°変形モデル
  • (4) L1:20°変形モデル

材料物性値 材料物性値

材料定数 ヤング率 E [MPa] ポアソン比 ν
脊椎
肋骨
胸骨
皮質骨 12,000 0.3
海綿骨 1,500
椎間板 10 0.4
肋軟骨 24.5 0.3

正常脊椎モデルと椎体骨折モデル 正常脊椎モデルと椎体骨折モデル

T11(11番目胸骨)10°変形作成例 T11(11番目胸骨)10°変形作成例

  • ※T11:11番目胸椎、L1:1番目腰椎

LS-DYNAによる解析

作成した脊椎モデルに対して人が臀部から転倒した際にかかると想定される荷重を与えることで脊椎の変形とひずみの発生を確認されています。

拘束条件と荷重条件

拘束条件 拘束条件

荷重分布 荷重分布

解析結果

作成したモデルを用いてLS-DYNAにて解析を実施しました。
結果から最小主ひずみを確認し、脊椎に荷重を付加し変形が進むことで変形が局所的に骨折脊椎周辺に集中することが確認されました。
1つの椎体骨折が生じると、隣接椎体の骨折リスクは3〜5倍になることが報告されており、今回、医用画像から作成した脊椎FEモデルによる結果と報告の傾向は一致していることから、医用画像から作成したモデルによる解析は病態解明の一助となる可能性があります。

解析結果(最小ひずみコンター) 解析結果(最小主ひずみコンター)

各椎体にかかる最小ひずみ 各椎体にかかる最小主ひずみ

出典
  • Nishida N, Ohgi J, Jiang F, Ito S, Imajo Y, Suzuki H, Funaba M, Nakashima D, Sakai T, and Chen X.
    Finite Element Method Analysis of Compression Fractures on Whole-Spine Models Including the Rib Cage.
    Computational and Mathematical Methods in Medicine , Volume 2019, Article ID 8348631, 10 pages.
  • Nakashima D, Kanchiku T, Nishida N, Ito S, Ohgi J, Suzuki H, Imajo Y, Funaba M, Chen X, Taguchi T.
    Finite element analysis of compression fractures at the thoracolumbar junction using models constructed from medical images.
    Exp Ther Med. 2018 Apr;15(4):3225-3230.

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