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[機能紹介] APIによる射出成形シミュレーションの自動化

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Tree Fan, Senior Engineer at Product R&D Division of CoreTech System(Moldex3D)

射出成形解析の自動化

成形解析CAEソフトは、プラスチック製品の開発・製造に大きなメリットをもたらしています。技術者の経験や金型トライアルに頼った開発プロセスに比べ、成形解析CAEの導入によって、設計段階で製品に起こりうる不具合を予測し、早急に修正を加えることができ、所要時間とコストを削減することができます。しかし、CAEソフトの操作やシミュレーション結果の解釈には、技術的なスキルと労力が必要です。技術専門家が限られている場合、CAE ソフトウェアの自動化適用による時間コストの削減が特に重要です。例えば、繰り返し行われるソフトウェアのインターフェース操作を自動化したり、成形解析CAEのプロセスを会社の通常の作業プラットフォームに直接統合するなどです。

APIとは?

自動化を実現する前に、まずアプリケーションの自動化を実現するためのツールであるAPI(Application Programming Interface)を理解する必要があります。
API の概念は、レストランで食事を注文するワークフローで簡単に説明することができます。レストランに入ったお客さんはメニューから注文し、ウェイターはその注文をキッチンに伝え、キッチンからお客さんに食事を届けます。APIはアプリケーションにおけるウェイターのような役割を果たし、リクエストとレスポンスを伝達し、アプリケーション(客)とアプリケーション(厨房)の橋渡しをします。

図1. APIはアプリケーションにおけるウェイターのようなもので、リクエストとレスポンスを送信し、アプリケーション(ゲスト)とアプリケーション(キッチン)をつなぐ架け橋となります。図1. APIはアプリケーションにおけるウェイターのようなもので、リクエストとレスポンスを送信し、アプリケーション(ゲスト)とアプリケーション(キッチン)をつなぐ架け橋となります。

別の例で説明すると、同じルートで異なる航空会社の運賃を比較したい場合、旅行代理店のウェブサイトにアクセスし、日付と目的地を入力すれば、異なる航空会社の対象便のリストが表示されます。旅行代理店のウェブサイトは、どのようにして航空会社間の価格データを入手しているのでしょうか。これはAPIの応用例といえます。まず、自社のWebサイトでオプションリストを提供し、異なる航空会社が提供するAPIを通じて各航空会社のフライト情報を取得し、自社のWebサイトに統合して検索結果を提示しています。Webサイト側では、すべての航空会社のフライト情報を記録する必要はなく、データを検索するスタッフも必要ありません。APIの統合と同様に、航空券の価格比較サービスを乗客に提供することができます。

CAEソフトウェアへの自動化の適用

API の操作の概念を理解した上で、CAEソフトの自動化適用による時間的コストの削減を考えましょう。設計比較や成形シミュレーションでは、多くのシミュレーション解析グループを作成する必要があります。また、シミュレーション終了後は、シミュレーション結果の後処理が必要となり、解析グループの設定、成形パラメータの調整、解析結果の取得など、多くの繰り返し作業が発生することになります。CAEソフトウェアがAPIに対応していれば、CAEエンジニアは繰り返し行われるインターフェース操作や、時間のかかる手動でのデータ収集・比較を行う必要はありません。その代わり、APIに対応した機能で自動実行プログラムを作成することで、作業項目のスピードアップを図ることができます。現在、Moldex3D Studioは、シミュレーショングループの作成と解析結果の解釈のための関連APIを提供しています。

また、APIの統合により、成形解析CAEプロセスを自社開発プラットフォームに統合し、本来CAEソフトウェアで行うべきインターフェース操作を簡略化し、チームメンバーは簡略化されたインターフェースを通じてCAEシミュレーション解析と結果解釈を行うことができるようになりました。このアプローチにより、チームメンバーが異なるソフトウェアに対応するための時間的コストを削減できるだけでなく、会社の製品要件に合った独自のシミュレーションワークフローを定義することが可能になります。このようにして、成形解析CAEのシミュレーション結果を標準化されたプロセスに適用し、製品の品質向上を達成することができます。

図2. APIアプリケーション図2. APIアプリケーション

おわりに

CAE ソフトウェアの個々のユーザーは、API を使用することで、繰り返し行われる操作を自動的に行うことができるプログラムに置き換えることができます。また、使用用途が異なる場合でも、パラメータ設定により、プログラムを常に調整することができます。自動化プログラムの開発には時間がかかりますが、その分大きな効果が期待できます。

成形解析CAE技術を必要とする組織や企業では、チームメンバー全員がCAEソフトに精通する必要はありません。API を統合することで、それぞれのワークフローに適した標準的なインターフェイスを構築し、異なるソフトウェアとその利点を取り込み、Moldex3D のシミュレーション技術をすべてのメンバーが利用できるようになります。

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