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[機能紹介] Composite 2023:StudioでRTM繊維配向を編集する方法

事例カテゴリ
特殊成形

StudioでRTM繊維配向を編集するための機能紹介

コアテックシステム技術サポートチーム チーフエンジニア 林哲平

現在、RTM(樹脂トランスファー成形)は最先端の新興技術であり、エレクトロニクス製品、自動車、造船、航空宇宙、風力発電などの製品に幅広く使用されています。RTM産業はいくつかの課題に直面していますが、流動挙動には製品内の繊維配向が大きく影響し、繊維配向が正しくないと、樹脂流動挙動の正確な予測が困難となる問題が挙げられ、正確な繊維配向設定がRTMのシミュレーション結果において極めて重要となります。

Moldex3Dがリリースした最新のStudio 2023バージョンでは、ユーザーのニーズに応じて3つの方法でRTM繊維配向を設定することができ、より正確な流動解析結果を得ることができます。3つの方法には以下のものがあります。(1) 手動カスタマイズ(Manual):R1/R2を使用して配向を設定、(2) lsファイルのインポート、(3) inpファイルのインポート (CSS8フォーマット)。ユーザーは手動で繊維配向を設定することができるほか、DynaやAbaqusから取得した繊維配向データ(.lsと.inp (CSS8))を既存のメッシュにインポートすることで、より正確な繊維配向を得ることができます。手順は以下の通りです。

開始:RTMシミュレーションプロジェクトの作成

Studioで新しいRunを作成し、成形プロセスを樹脂トランスファー成形に設定してRTMのモデルを準備します。RTMのメッシュモデル(MFE)ができたら、境界条件の積層配向(Ply Orientation)のドロップダウンメニューから配向設定(Set Ply Orientation)を選択します。設定画面が表示され、「Setting by」から上記の3つの設定方法を選択することができます。

開始:RTMシミュレーションプロジェクトの作成

方法1:カスタマイズ (Manual) ‐ R1/R2を使用して配向を設定

手動で繊維配向設定をカスタマイズします。ユーザーが所望する繊維配向に基づき、基準面や繊維配列角度などのパラメータをカスタマイズすることができます。

設定方法:

  • A. 「Setting by」からManualを選択します
  • B. ターゲット(Target):配向を設定するプライ(Ply)を選択します
  • C. ボード(Board):プライ(Ply)上の面を選択します
  • D. Nextをクリックして次に進みます

方法1:カスタマイズ (Manual) - R1/R2を使用して配向を設定

  • E. 投影平面(Project Plane):デフォルト値が設定されており、投影平面の法線ベクトルの変更が可能です
  • F. 基本ベクトル(Base Vector):平面上の0度を表すベクトルを入力します(赤色の矢印で表示)
  • G. 基本ベクトルに対するR1/R2の角度を指定します
  • H. OKをクリックして配向設定を完了します

方法1:カスタマイズ (Manual) ‐ R1/R2を使用して配向を設定

方法2:lsファイルのインポート

この方法では、LS DYNAから取得したキャビティ内における繊維マットの配向データ(.ls file)をMoldex3Dにインポートし、微調整を行います。

設定方法:

  • A. 「Setting by」からImport Draping File (*.ls)を選択します
  • B. ターゲット(Target):配向を設定するプライ(Ply)を選択します
  • C. ボード(Board):プライ(Ply)上の面を選択します
  • D. Nextをクリックして次に進みます

方法2:lsファイルのインポート

  • E. Draping Fileに対応するlsファイルを選択します
  • F. View/Editボタンをクリックしてマッピング(Mapping)します
  • G. Isファイルは無属性オブジェクトとして表示され、3つの方法でプロジェクトモデルとlsファイルのマッピングを実行することができます
  • i. Original:lsファイルの元の位置を使用します
  • ii. Auto Move:より適切な位置に自動的に移動します
  • iii. 3-points mapping:プロジェクトモデルとlsファイルからそれぞれ3点を選択してマッピングを実行します
  • H. マッピング後、OKをクリックして配向設定を完了します

方法2:lsファイルのインポート

方法2:lsファイルのインポート

方法3:inpファイルのインポート (CSS8フォーマット)

この方法では、Abaqusから取得した繊維マットの配向データ *.inp file (CSS8フォーマットであること)をMoldex3Dにインポートし、微調整を行います。

設定方法:

  • A. 「Setting by」からImport Draping File (*.ls)を選択します
  • B. ターゲット(Target):配向を設定するプライ(Ply)を選択します
  • C. ボード(Board):プライ(Ply)上の面を選択します
  • D. Nextをクリックして次に進みます

方法3:inpファイルのインポート (CSS8フォーマット)

  • D. Draping Fileに対応するinpファイル (inpファイルはCSS8フォーマットであること)を選択します
  • E. View/Editボタンをクリックしてマッピング(Mapping)します
  • F. inpファイルは同様に無属性オブジェクトとして表示され、3つの方法でプロジェクトモデルとinpファイルのマッピングを実行することができます
  • i. Original:lsファイルの元の位置を使用します
  • ii. Auto Move:より適切な位置に自動的に移動します
  • iii. 3-points mapping:プロジェクトモデルとlsファイルからそれぞれ3点を選択してマッピングを実行します
  • G. マッピング後、OKをクリックして配向設定を完了します
  • 方法3:inpファイルのインポート (CSS8フォーマット)

    方法3:inpファイルのインポート (CSS8フォーマット)

RTMシミュレーションの完了:解析の実行と結果の判定

材料の選択やRTMプロセス条件などの解析設定が完了したら、Runを送信して計算を実行します。下図は方法2の解析後の充填段階におけるメルトフロントタイムの結果です。プライ(Ply)と繊維配向の設定は、樹脂トランスファー時の流動挙動やその他の製品品質に影響を与えます。

RTMシミュレーションの完了:解析の実行と結果の判定

Moldex3D Studio 2023バージョンでは、RTMプロセスユーザーのニーズに応じて、手動カスタマイズ、.lsインポート、.inpインポートの3つの方法で繊維配向を設定することができます。RTMプロセスにおける樹脂流動挙動を正確に予測するには、正確な繊維配向が非常に重要であり、この新機能を活用することで、RTMの流動結果に大きく役立てることができます。

事例一覧

  • ※Moldex3Dの開発元は CoreTech System Co., Ltd. です。
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