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[解析事例] 3Dプリンターを活用したコンフォーマル冷却による品質向上の事例

3Dプリンターを活用したコンフォーマル冷却による品質向上の事例

3Dプリンター(レーザー焼結方式)を活用したコンフォーマル冷却により、冷却時間の短縮と冷却効率向上を実現

近年、製造業界で3次元プリンターやラピッドプロトタイピング(RapidPrototyping)の導入、または導入検討されている企業が増えています。3次元プリンター(レーザー焼結方式)を活用すると、製品の表面に沿った高精度な冷却チャネル(コンフォーマル冷却チャネル)を取り入れた金型がCNC切削加工に比べて簡単に製造でき、品質向上やサイクルタイムの短縮に効果があります。
一方で、複雑な冷却システムを設計し検証や各種条件の最適化を行うには、金型と冷却管を3次元で解析する高精度なソフトウェアが必要で、業界からはその開発を切望されていました。

概要

Moldex3Dの3次元冷却解析機能(3DCFD)は、コンフォーマル冷却システムの冷却効率を3次元で解析し、高精度に予測します。その機能は冷却時間の予測のみならず、金型内の温度分布の予測、冷却水の流速速度や圧力損失、そして渦や死水領域などの予測も可能です。
本事例では、Moldex3Dの3次元冷却解析を活用しヒケ改善及び回避を基準とし冷却時間を最適化した事例をご紹介します。

評価対象概略

本事例の評価対象は、電動ドリルのカバーです。
製品のサイズは、
・高さ(H):162.23o
・幅(W):105.55o
・奥行(D):44.51o
・平均肉厚:3.00o
非常に複雑な形状で肉厚の変化も大きく、製品形状としては、コンフォーマル冷却システムを適用するにふさわしいデザインと言えます。従来の冷却システム(図1左)ではバッフル管を使用し、ヒケを回避するには冷却時間30秒を要していました。 この事例では、コンフォーマル冷却システムを適用し最適な冷却管の設計を試みました(図1右)。

冷却システムのデザイン 図1. 冷却システムのデザイン

冷却システムの温度分布と冷却時間の比較

まず、従来の冷却技術を用いた場合(バッフル冷却管)を解析し、温度分布と必要な冷却時間を確認しました。
冷却管の温度は60℃ですが、冷却工程終了時点での製品表面の温度分布は、図2に示す通り約60〜134℃となっています。キャビティ側には、低い温度分布が均一にみられますが、コア側の温度変化は大きくなっています。原因は、最も温度が高くなっている領域(図中に○で囲って表示)まで冷却効果が届いていない為と判ります。
必要冷却時間は、保圧工程終了時から取り出し温度になるまで、各領域がどの程度時間を要するかを表します。もっとも長い時間(図3の○部)は103.6秒と確認されました。

バッフル冷却(従来)の解析結果 図2. バッフル冷却(従来)の解析結果

バッフル冷却(従来)の冷却時間 図3. バッフル冷却(従来)の冷却時間

次に、コンフォーマル冷却技術を用いた場合を検証します。
冷却工程終了時の製品表面の温度分布をみると、約57〜130℃の分布を示しています。これは、従来のバッフルと比べ低くなっています。さらに、コア側の温度分布ほぼ60℃で均一になり変化も従来のものよりなだらかになっていることが判ります。コンフォーマル冷却技術を用いることによって、コア側の温度を効果的に下げていますが、図中に○で囲った温度が高い領域(130℃〜148℃)は未だ残っています。
また、必要な冷却時間の最大値は、96.5秒なっており、約7秒短縮されています。

コンフォーマル冷却の解析結果 図4. コンフォーマル冷却の解析結果

コンフォーマル冷却の冷却時間 図5. コンフォーマル冷却の冷却時間

冷却効率比較

従来のバッフル冷却管(図6)の冷却効率を見ると、管が製品のコア側に到達できていないため、コア側では全ての熱の1/3(35.5%)しか吸収できていません。一方で、コンフォーマル冷却技術(図7)を用いると冷却効率は、1/2以上の約55%(青(1.16%)+赤(53.73%))に向上しています。

バッフル冷却の冷却効率 図6. バッフル冷却の冷却効率

コンフォーマル冷却の冷却効率 図7. コンフォーマル冷却の冷却効率

ヒケ状態の比較

対象のドリルカバー部品 図8. 対象のドリルカバー部品

最適な冷却時間を求める基準として、品質指標のひとつである「ヒケ」(変位量)を基準に比べてみます。
バッフル冷却管で30秒間冷却した場合(図9左)の変位量0.07mmを基準として解析したところ、コンフォーマル冷却では冷却時間を20秒とした場合に0.08mmの変位量になる事が分かりました(図9右)。変位量0.07mmと0.08mmは差がほぼ無いことから、コンフォーマル冷却を適用することで10秒の冷却時間短縮が可能と結論づけました。

変位量の比較 図9. 変位量の比較

サイクルタイム短縮

本例では、従来のバッフル冷却と比較して、コンフォーマル冷却技術を用いた場合、冷却時間を10秒短縮することができ、全体のサイクルタイムが、53秒から43秒に短縮され、サイクルタイムとして19%の向上になりました。

サイクルタイムの短縮 図10. サイクルタイムの短縮

まとめ

コンフォーマル冷却システムを用いた冷却効率の向上と冷却時間の短縮が可能になりました。
従来の冷却システムは、冷却効率の向上に限界があり、冷却管が製品表面まで到達できず、難しい面がありますが、Moldex3Dを用いれば、コンフォーマル冷却システムの効果を高精度に予測できます。

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