[解析事例] 充填アンバランスの改善(BTI社)
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充填バランス改善テクニック
顧客紹介
Beaumont Technologies, Inc.(BTI社)は1998年に創立され、本社はペンシルベニア州にあります。BTI社はレオロジカル制御システムの開発における先進的企業です。独自の射出工程の最適化のため製品設計から工程までの一連の流れを創造的、革新的なものに変えてきました。 (参考:Beaumont Technologies, Inc.)
プラスチック業界で長年にわたり専門分野で研究に携わってきたBTI社は、プラスチック成形工程をより簡単、より創造的、より革新的なものに進化させてきました。また、BTI社では、定評ある次世代 MeltFlipper® MAXTMの技術に関する同社で2番目の特許を考案しました。 MeltFlipper® MAXTM は、コールド/ホットランナーモールドのメルトチャンネルや金型内の多軸材料の対称性を回復(非対称性を改善)できます。
CoreTech社と BTI社 は、CAEシミュレーション解析やランナー設計の最適化にユーザーが必要とするお互いの技術を、それぞれの地域のユーザーに提供しています。例えば、単一部品のマルチキャビティ成形の際に、依然として金型内の不均一性が認められることがあります。これはたとえ各金型内へのフローバランスが良くても、各キャビティごとに部品の差異が生じる原因になります。このような問題の解決策として、メルト管理技術 MeltFlipper® MAXTM の活用を奨めています。
オリジナルのランナー設計には欠陥があった
新たに特許を取得したメルト管理技術、MeltFlipper® MAXTM は、多軸状態の高せん断層の対称性を確保することによって、メルトがより均一な状態で金型内に流れこむようにします。射出成形アプリケーションにおいて、この革新的な最新技術が、コアの移動の防止や、薄肉成形の流動長の増加に貢献し、製品内部のメルトフロントの操作や制御を可能にします。 (図1)
図1. (a) シングルキャビティ成形の金型内の不均一性に起因するメルトフロントの流れ込み現象
(b) メルト管理技術を使用し、修正したメルトフロント
メルト管理技術は、このようシングルキャビティでもマルチキャビティでも、またはホットランナーでもコールドランナーでも、あらゆる金型のキャビティ相互間、または金型内部の不均一性の改善に役立ちます。下の図2と図3は、シングルキャビティ成形の例です。これらはAタイプのシングルモールドです。シングルキャビティ成形では1つのキャビティしかないので、当然キャビティ間の不均一性は存在しません。しかしこれらの事例では、シングルキャビティ内の不適切なフローフロントが問題になります。これは専ら、せん断応力のアンバランスに起因し、これにより金型内の材料に不均一性が生じています。Aタイプの金型では、通常、成形品の中心に強度的に脆いウェルドラインが形成されます。
図2. Aタイプの金型での、充填率70%のメルトフロントの温度分布
(左)当初のランナー設計
(右)MeltFlipper® MAXTM によるランナー設計
図3. Aタイプの金型での充填完了時のメルトフロントの温度分布
(左)当初のランナー設計
(右)MeltFlipper® MAXTM によるランナー設計
メルト特性の制御は、今や単なるキャビティ間のバランスに限定されるものではないことが認識されつつあります。メルト管理技術MeltFlipper® MAXTMは、製品内のメルトフロントの制御を可能にします。これにより、製品内の特定部分の流れの改善、ウェルドラインの移動、製品変形の軽減といった望ましい成果が得られます。このように多軸メルト循環技術によって、不適切なフローを望ましい形に修正することができます。
図4.(左図)コールドメルトによって形成されたウェルドラインに生じた脆性破壊
(右図)ホットメルトによって形成されたウェルドラインに生じた延性破壊
結論
Moldex3Dは金型内部の流動アンバランスを改善するための手助けをします。 MeltFlipper® MAXTM は充填のアンバランスを簡単、適切に解決する一助となります。 CoreTech とBTIは技術協力により信頼性の高い関係を築いてきました。 MeltFlipper® MAXTM の詳細については、BTI社または CoreTech社 にお問い合わせください。
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