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[解析事例] DPDによる界面張力の評価

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粗視化分子シミュレーションを用いた界面張力の計算

目的と手法

水とオクタン間の界面張力をDPDを用いて計算しました。オクタンはDPD粒子3個で表現し、水は1DPD粒子で表現しました。各粒子の体積は水分子3個分としたため、基準体積Vbeadは54.3[cm^3/mol]となり、系の数密度(ρ=3)から基準長さRcは6.46[Å]となります。

基準長さの計算式

各球に与える斥力パラメータaは全原子モデルのMD計算から求めた溶解度パラメータδ(表1)から以下の式をもちいて算出し、水/オクタン粒子間は aij=120.1 としました。なお同種粒子間は aii=25 としました。

表1 水、オクタンのモル体積・溶解度パラメータ
物質 V
[cm^3/mol]
δMD
[(J/cm^3)^(1/2)]
δexp[1]
[(J/cm^3)^(1/2)]
water 18.1 52.6 47.9
octane 162.6 16.0 15.6

χパラメータの計算式

aパラメータの計算式

解析結果

図1にDPD粒子による水/オクタン界面のモデルを示します。DPD粒子は水分子が3000個、オクタン分子は1000個とし、界面を形成するように配置後「COGNAC」により計算を行いました。緩和後も界面は維持されており、各方向のストレス値から界面張力を以下の式により算出しました。なお基準長さを用いて界面張力の有次元化を行っています。以上の計算により、水/オクタン間の界面張力は 50.1[dyn/cm]と評価されました。実験値の 51.7[dyn/cm][1]と比較して良好な結果といえます。

解析結果

界面のモデル 図1. 界面のモデル
(上部が水領域、下部がオクタン領域)

界面張力の時間変化 図2. 界面張力の時間変化

なお図3に、このモデルにおける界面張力の aij 依存性を示します。aij>30 において二相に分離し、aij の増加とともに界面張力が増加することがわかります。

界面張力とaijの関係 図3. 界面張力とaijの関係

  • ●参考文献
  • [1] A.Maiti and S. McGrother, J. Chem. Phys., 120, 3, 15 (2004)

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