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J-OCTA事例:FMO-DPDを用いた高分子電解質の相分離構造

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マテリアルサイエンス

FCEWSを用いてχパラメータを予測し、燃料電池で用いる高分子電解質のメソスケール解析を実施

メソスケールのシミュレーション手法である散逸粒子動力学(DPD)を用いて、高分子電解質と水が形成する相分離の計算を実施しました。応用対象としては燃料電池の電解質膜が挙げられます。水のチャネル構造の中をプロトンが移動するため、構造の予測は材料設計において重要となります。

以下の事例では、疎水性のテフロンを主鎖として、側鎖に親水基であるスルホン酸を有する代表的な高分子電解質が水中で形成する構造をDPDを用いて解析しました[1]。

まず、高分子電解質をセグメントに分割し、セグメント間のχパラメータ(相互作用パラメータ)を、FMO(フラグメント分子軌道法)を用いることで高精度な予測が可能なFCEWSで推算します(図1)。水分子は4つで1つのDPD粒子としています。

図1. 高分子電解質のセグメント分割図1. 高分子電解質のセグメント分割

その後、DPDを用いて高分子電解質の分率を変えて相分離構造を予測しました。図2(上,左)は代表的な相分離構造で、緑色が疎水性の主鎖、黄色が親水基、青色が水を示しています。右横に示した水の分布を見ると、チャネル構造が形成されていることがわかります。図2(下)は水の散乱関数を示しており、高分子電解質の分率を変化させた際の変化は実験結果の傾向を再現しています。

FCEWSは立教大学の望月研究室で開発されており、J-OCTAに含まれています。詳細は文献[1][2]をご参照ください。

図2.DPDで計算された相分離構造と散乱関数図2.DPDで計算された相分離構造と散乱関数

*参考文献
  • [1] RSC Adv., 8, pp34582-34595, (2018)
  • [2] https://www.cenav.org/fcews_ver1_rev2/

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