[解析事例] 機械学習QSPRとマテリアルズ・インフォマティクス
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深層学習を用いた構造物性相関
J-OCTAには、マテリアルズ・インフォマティクスに関係する機能がいくつか含まれます。例えば以下のようなものがあります。
・分子モデリングからシミュレーションまでをGUIを使わずにPythonスクリプトで実行して、物性値などのデータを大量に蓄積する”モデリングAPI”(図1)
・SMILESなどで書かれた分子構造から分子記述子を取得する機能
・複数の分子構造から共通構造を抽出する機能
・グラフ畳み込みニューラルネットワークを用いて、分子構造と物性の関係を学習させて予測する、機械学習QSPR(図2, Quantitative Structure-Property Relationship:構造物性相関)
図1. モデリングAPI
図2. 機械学習QSPR
機械学習QSPRを用いて物性値を予測した例を示します。
非晶性高分子について、図3は密度、図4はガラス転移温度をターゲットにしたものです。機械学習QSPRでは、学習の際にはBicerano法と同じ実験データを用いており、実験データのうち8割を教師データ、2割をテストデータとしています。グラフに示してるのはテストデータについての比較です。なお、分子記述子はモノマー構造を元にしていますので、分子量依存性は考慮していません。
それぞれの左側が機械学習QSPR、右側が従来のQSPR(Bicerano法)を用いたものです。縦軸がQSPRの結果、横軸が実験データです。学習時のパラメータにもよりますが、機械学習QSPRのほうが良い相関を示しています。
重要なのは、機械学習QSPRではユーザーが自身のデータで学習させることができることです。これにより、ユーザーがターゲットとする分子構造に近いデータのみを元にした、カスタマイズされたQSPRを構築することも可能です。
図3. 機械学習QSPRと従来(Bicerano)のQSPRの比較(密度)
図4. 機械学習QSPRと従来(Bicerano)のQSPRの比較(ガラス転移温度)
事例一覧
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