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[解析事例] VSOP-PSによる繊維配向材のシミュレーション

連続体モデル
マテリアルサイエンス

粒子法による繊維配向構造作成と熱伝導率評価

目的と手法

マトリクス中に繊維を配向させ熱伝導の異方性を持たせた繊維配向材を用いた熱拡散、放熱の研究が進められています(例、セルロースナノファイバー+炭素繊維1、樹脂+マトリクス+気泡のコンポジット材料2)。

今回、繊維配向材の粒子シミュレーションによる熱伝導率予測を目的とした事例を作成しました。J-OCTAのプログラムの一つであるVSOP-PSは、粒子法(MPS)を用いた熱伝導計算をすることが可能です。今回、繊維が伝熱方向に配向した場合と垂直方向に配向した場合の熱伝導率を計算し、差が生じるか調べました。また等価介在物法を用いたDigimat-MF3と結果を比較しました。

モデル

マトリクス、繊維を粒子でモデル化します。繊維の形状は、粒子を1次元方向に連結し粒子間に相互作用を与えることにより剛直な形状から少し湾曲性を持たせています。配向構造は、ずり(せん断流動)をかけることにより求めました。

※図中のマトリクスは繊維を見やすくするため点で描画しています。実際には繊維の周りはマトリクスで充填されています。

マトリクスの密度: 1.08[g/cm3]
マトリクスの比熱: 1340[J/(kg・K)]
マトリクスの熱伝導率: 0.2[W/mK]
繊維の密度: 1.5[g/cm3]
繊維の比熱: 1880[J/(kg・K)]
繊維の熱伝導率: 20.0[W/mK]
繊維の重量パーセント濃度: 10.0[wt%]

計算時間: 約12〜16分(8cpu)

結果

繊維にずり(せん断流動)を加えて配向構造を作成し、伝熱方向に配向した場合(0°)と垂直方向に配向した場合(90°)の熱伝導率をVSOP-PSで計算し比較しました。繊維配向方向の熱伝導率は垂直方向より約3倍大きい結果が得られました。またDigimat-MFの結果(右下図)も同様の傾向が得られました。

VSOP-PSのずり(せん断流動)計算と熱伝導計算を組み合わせることにより、様々な形状の添加物に配向方向を与えて熱伝導特性を評価することが可能です。

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