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[解析事例] 粗視化分子動力学を用いた複屈折の解析

全原子MD / 粗視化MD
光学・電気・磁気
マテリアルサイエンス

粗視化分子動力学とリバースマップ技術を用いて複屈折を評価

高分子材料に大変形を加えることにより配向複屈折を生じることが知られており、J-OCTAの過去の事例でも、全原子分子動力学(FAMD)[1]や、複数のスケールでのアプローチ[2]を紹介してきました。

全原子MDを用いる場合、時間スケールが短いことが課題となります。変形速度が大きくなり、変形に対する高分子の緩和が間に合わず、過剰な配向状態が得られます。一方で、粗視化分子動力学(CGMD)を適用することで長い時間スケール、つまり全原子MDよりは遅い変形を加えることができます。ここでは、J-OCTAに含まれる粗視化ポテンシャル推算機能を用いて、ポリカーボネート(PC)の粗視化モデルを構築しました。粗視化MDを用いて一軸伸長計算を実施し、全原子モデルにリバースマップします(図1)。緩和させた後、[1]と同様にJ-OCTAのシナリオ機能を用いて複屈折を評価しました。

図2は伸長変形による複屈折の変化の様子を示しています。FAMDと比べてCGMDでは遅い変形速度を扱うことが可能です。0.1m/s迄速度を落とした場合には、文献[3]の実験値に近い値が得られています。

図1. (上)粗視化MDを用いた一軸伸長計算のスナップショット(下)粗視化MDの結果から全原子MDにリバースマップした構造図1. (上)粗視化MDを用いた一軸伸長計算のスナップショット
  (下)粗視化MDの結果から全原子MDにリバースマップした構造

図2. 一軸伸長による複屈折の変化 全原子(FA)MD、粗視化(CG)MDの変形速度違いの結果図2. 一軸伸長による複屈折の変化
全原子(FA)MD、粗視化(CG)MDの変形速度違いの結果

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